Z世代のキャリア観:「私たちはホワイト企業に入りたい?」

Z世代のキャリア観:「私たちはホワイト企業に入りたい?」

こんにちは!3月に入って私が「現役大学生」でいられるのもあと少しとなり、「現役大学生が語る、自分たちの価値観、暮らし、メディア」のコラムも今回が最終回です。 最近は、4月からの社会人生活が目前に迫っている影響で、友人たちと将来のキャリアについて話すことが多くなってきました。そこで今回は、大学生はどのようなキャリアを望んでいるか、ということについて書いていきたいと思います。

大人気!“ホワイト企業”

就活をしていて感じていたのは、圧倒的にホワイト企業が人気だということです。ちなみにここで言うホワイト企業とは、“ワークライフバランスを実現してゆとりを持って働ける企業”のことを指します。周りを見ていると、休日返上でバリバリ働いてたくさん稼ぐぞ!というよりは、そのようなホワイト企業で私生活を充実させる余力を残せる働き方をしたい人がとても多くいたのが印象的でした。しかし、そのような選択をした人たちの気持ちはとてもよくわかります。

 今の大学4年生は、生まれる3年前に男女共同参画社会基本法が出ました。つまり、社会的に性別に関係なく社会進出して活躍するのがよしとされる雰囲気の中育ってきた世代なのです。そのため、「男が外で稼ぎ、女が家を守る」という昔ながらの家庭像を描く人は少なく、どの性別であろうと仕事と家事・育児の両方に参加しなければならないという意識が強くあります。また、生まれてからずっと不景気でリストラなどもたくさん見てきたこともあり、仕事を頑張れば頑張るほど幸せになれるというイメージが湧きません。このようなことから、仕事に自分の持てる労力全てを費やすのではなく、家事育児含めてプライベートを充実させることを目指す人が多いのだと思います。

リモートワークは意外としたくない?

また、実際に就活をしてみて意外だったのは、リモートワークを希望する人の少なさです。リモートワークといえば、自宅や好きな場所で自分のペースで働くことができるので一見メリットが大きいように感じられます。実際、リモートワークが普及し始めた頃はこれらのメリットが多く取り沙汰されていたことが記憶に新しくあります。しかし、就活をしながら周りと話していると「出社したい」と話す人が多く、大変じゃない?と思い最初はとても意外でした。

ですが、若い世代が経験してきたことを考えてみると、この傾向にも頷けます。今の大学4年生はコロナ禍の影響で、大学生活の前半をリモート授業で過ごしてきました。私もほとんどの授業をリモートで受けていましたが、わざわざ大学に行かなくても単位を取ることができるので確かに楽ではある一方で、人間関係の構築に悩まされていました。

ずっと家でパソコンとばかり睨めっこしていると人間関係が広がることがなく、頼る相手も話す相手もいない、という困った状態になってしまうのです。そして、これは私だけの話ではなく、同じ世代のほとんどの大学生が一度は抱えた悩みでしょう。そう考えると、「少ないストレスでゆとりを持って働く」という観点から、多少面倒だと感じても出社したいと思う若い世代が多いのにも納得できます。

何かの“スペシャリスト”になりたい

最後に、就活生はどのようなキャリアパスを描いていて、どのような会社が人気なのかについて考察してみます。

会社の中でなんでも手広くできるジェネラリストよりも、範囲は狭くてもここは他人に負けない!という専門分野のあるスペシャリストを目指す人が私の周りには多くいました。私自身もそうで、今の会社を選んだ理由の一つに「職種別採用だった」ということがあります。職種別採用であれば、入社してから確実に同じ分野で経験を積むことができるというメリットがあり、より専門性を身につけることができると考えたからです。現時点では職種別採用を行なっている企業は(以前より増加したとはいえ)まだそこまで多くはなく、見つけた時にラッキー!と思ったことを覚えています。

では、そもそもなぜ、専門性を身につけたいのでしょうか?
ちょうど「失われた30年」の間に生まれ成長してきた私たちは、終身雇用制度が崩壊していく様子や、ここに入れば絶対安泰!なんてないことを目の当たりにしてきました。そのような環境で成長してきたため、不安定かつ不景気の社会では転職することが当たり前だと思っている節があります。つまり、そういった不安定な世の中であっても生き残っていくための市場価値の高さを身につけるために、これは他の人に負けないぞ!という市場での武器になる専門性が欲しいのです。そうした観点から、もっと専門性という側面に光を当てた新卒採用が増えるといいなと思っています。

さて、ここまで4回に分けて、現役大学生の視点から若い世代の考えていることを分野別に紹介してきました。いかがだったでしょうか?このコラムも今回で最後になってしまいますが、少しでも皆さんのお役に立てたなら嬉しく思います!今までありがとうございました!

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